◎2002年10月のオススメ舞台◎

 今月はイチオシ揃いのため「イチオシ舞台」は、お休みさせていただきます。
 もっとオススメの舞台があるよ〜!!という情報をお持ちの方は、ぜひTぷるぷる掲示BANUに投稿して下さいね。
 

   漱石の「明暗」を現代の心理ミステリーに

 このサイトではもうお馴染み、二兎社の新作は「新・明暗」。作・演出は主宰の永井愛さん。
 チェーホフの「三人姉妹」をベースにフェミニズムを検証し、大好評だった2000年の「萩家の三姉妹」。今回は、夏目漱石の未完の傑作「明暗」を現代劇にアレンジ。
 原作では、主人公の津田が新妻に隠れて、温泉で元恋人と密会する場面で絶筆となっている。二人の女の間で心の迷宮に入りこんだ男の運命は? 他人vs.自分、男vs.女。「他者」の存在に照らし出されて初めて暴かれる自己の真実。漱石未完の心理ミステリーを現代に蘇らせ、驚くべき結末を用意!?
 今回は、迷路を思わせる舞台美術を背景に少人数のキャストが入れ替わり立ち替わり多数の登場人物を演じたり、内面のセリフを独白で表現したりと、ここ最近の二兎社の芝居とは一味違う実験精神に富んだ作品になるそう。
 「明暗」を読んでおけば面白さ倍増でしょうが、基本的に永井さんの作品は必ず面白いので(笑)読まなくても楽しめるはず。
 元二兎社の大石静さんが脚本を担当したNHK朝ドラ「オードリー」で好演していた、元惑星ピスタチオの佐々木蔵之介さんが今回二兎社初参加で、内面表現中心の難しい役どころに挑戦。元劇団青い鳥で80年代小劇場の旗手的存在だった木野花さんの二兎社初参加も、時代の移り変わりを感じさせて興味深いところ。
 出演者は他にやはり二兎社初参加の文学座の山本郁子さん、燐光群の下総源太朗さん、二兎社ではお馴染みの小山萌子さん、元3○○でモザメの土屋良太さん、青年座の山本龍二さんなど。
 東京公演は、10月5日(土)から24日(木)まで三軒茶屋・シアタートラム。11月5日(火)、かめありリリオホール。一般前売りは発売中、全指定席4,500円。
 その他、盛岡、仙台、石川、岐阜、熊本、福岡でも地方公演有り。
 問い合わせ先 二兎社 TEL 03-5638-4587
 http://www.nitosha.net/   

   松尾スズキの新作は荻野目慶子迎え大悲劇!

 お次は、大人計画主宰の松尾スズキさんのプロデュースユニット、日本総合悲劇協会(通称・ニッソーヒ)の4年ぶり第3弾となる「業音」。ヒロインに、あの荻野目慶子さんを迎えての、松尾さんの今年唯一の新作に期待!
 他人が他人を、親が子供を子供が親を殺す。しかも、いとも軽い理由で。そういったニュースがすごく多い今日このごろ。そんな中で松尾さんは、みな「自分の命」というものに限りなく執着を覚え始めているのではないかと思ったそう。子供を殺す、要するに自分の(未来につながる)一部を殺してしまうほどの「今、この瞬間」への執着。そこに限りなく深い「業」の闇がズッシリと横たわっているのを感じるという松尾さん。
 今回の「業音」というタイトルは、昨年の荻野目慶子さん主演の昼ドラ「女優・杏子」にハマった松尾さん(たこもハマってました)が、荻野目さんから想を得て付けたもの。内容も、荻野目さんのビジュアル、芝居、存在を全面に押し出す完璧なアテ書きだそう。
 今回は、今までのニッソーヒにも無いドロドロした「大悲劇」になるそう。荻野目さんの迫真の演技が、松尾さんの紡ぎ出すダル〜イ大悲劇にピッタリとマッチしそうな予感!
 出演は他にニッソーヒ常連の片桐はいりさん、美しくも妖しい内田滋啓さん、「キレイ」に続き今回も華麗なダンスを披露する康本雅子さん、大人計画からは伊勢志摩さん、皆川猿時さん、村杉蝉之介さん、平岩紙さん、そして松尾スズキさん。
 10月9日(水)から26日(土)まで赤坂・草月ホール(火曜は休演)。一般前売りは発売中、全指定席5,300円。
 問い合わせ先 大人計画 TEL 03-3327-4333
 http://www9.big.or.jp/~otona/  

   戦争の悲惨さを歌い上げたミュージカル

 96年に初演、98年に再演し大好評だったミュージカル座の「ひめゆり」が4年ぶりに上演へ。山口ひで(王偏に秀)也さん作曲・音楽監督、ミュージカル座主宰のハマナカトオルさん作詞・演出。
 太平洋戦争末期の沖縄を舞台に、兵士の看護のため動員された女学生たちのひめゆり学徒隊。尊い犠牲となった彼女らの悲劇を全編歌で綴るポップ・オペラ形式で重厚に描くミュージカル座の代表作。戦争の悲惨さと虚しさ、命の尊さを感動的に歌い上げる。
 今回は「ミス・サイゴン」のキム役などで高い評価を受けている本田美奈子さん、98年の再演に引き続き出演となる鈴木ほのかさんと岡幸二郎さん、切ない歌声がたこもお気に入りの石川禅さんと、4大ミュージカル・スターを迎えての公演。
 この作品が作られたきっかけは、ハマナカさんが帝劇の「ミス・サイゴン」のプログラムに「このミュージカルによって戦争の悲惨さを教えられました」という手紙が載っているのを見たことから。戦争体験国の日本の若者が外国のミュージカルで戦争の悲惨さを教えられるとは、日本の作家として恥ずかしいことだと感じ、今の日本の若者に語るべきミュージカルを作らなければと、「レ・ミゼラブル」「ミス・サイゴン」などの外国産大作ミュージカルの音楽監督をつとめた山口さんとの共同作業で生まれたもの。
 衝撃的なテロ事件と報復戦争で始まってしまった、新しい世紀。戦争体験国に生まれた私たちこそに、世界に向けて「平和」を呼びかける責任があり、そのためには「戦争」の悲惨さをまず知ることではないでしょうか?
 10月30日(水)から11月4日(月)まで池袋・東京芸術劇場 中ホール。一般前売りは発売中、S席7,500円、A席5,500円。
 問い合わせ先 ミュージカル座 TEL 048-825-7460
 http://www.musical-za.com/  

   遊◎機械最終公演は集大成のワンダーランド

 83年に劇団として結成、93年には劇団員という存在を無くし、高泉淳子さん作&白井晃さん演出コンビを中心にそのつど集まったスタッフ・キャストによって上演するユニットに変更。そして、今回の「クラブ・オブ・アリス」でなんと最終公演となる遊◎機械/全自動シアター。
 今回は、自ら出演を希望していた浅野温子さんが遊◎機械初参加で、95年初演の「独りの国のアリス」を改訂上演。高泉さんが初めて等身大の女性を主人公として描いた、中年女性版「僕の時間の深呼吸」ともいえるこの舞台は、多くの女性たちから支持され高泉さん自身も愛着のある作品。
 子供のころ「不思議の国のアリス」の主人公アリスに憧れ、今は自分のためにせわしなく働き独りぼっちで不幸せを嘆いている中年女性。そんな彼女がひょんなことから落ちた穴ぼこから、小さなクラブへたどり着く。かつての「アタシ」とその仲間たちは「私」の時間を狂わせ、昔出会った人、これから出会うかもしれない時間、出会うことのない場面へと連れ回す・・・。今の「私」を受け入れて、自分を少し好きになる物語。
 今回は、遊◎機械のこだわりでもあるJAZZの音色をふんだんに盛り込み、楽しくも切ない、なやましくも美しい独自のワンダーランドを作りあげるそう。結成以来、常に走り続け変化し続けて来た遊◎機械/全自動シアターの集大成ともいうべきエンタテインメント作品に仕上げるとか。
 出演は他に遊◎機械の高泉淳子さんと白井晃さん、元東京サンシャインボーイズの小林隆さん、元オンシアター自由劇場の冨岡弘さん、ミュージカルなど幅広く活躍の平沢智さん、元劇団四季の北村岳子さん、元遊◎機械の富浜薫さん。
 遊◎機械/全自動シアターというユニット名では今回がラストですが、今後も白井さん、高泉さんそれぞれのプロデュース作品を継続的に上演していくそうです。彼らの新たな出発に向けたこの公演、大いに期待しましょう!
 10月3日(木)から24日(木)まで青山円形劇場(7日と21日の月曜と15日の火曜は休演)。一般前売りは発売中、全指定席6,300円。
 問い合わせ先 遊機械オフィス TEL 03-5420-4620

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